メモ 古事記
奈良初期に編纂された天皇家の神話。
上巻は神々の物語、中・下巻は初代とされる神武天皇から推古天皇に至る各代の系譜や、天皇、皇子らを中心とする物語である。
編纂が最初に企てられたのは天武朝(673‐686)である。
天武天皇が稗田阿礼に資料となる「帝紀・旧辞」を誦習させたが、完成せず、
三十数年後、元明天皇の詔をうけて太安麻呂がこれらを筆録し、712年(和銅5)正月に献上した。
諸氏族中の一氏にすぎなかった天皇家が、古代日本の支配者となったとき、
自己および諸氏族がもち伝えた神話や系譜伝承を、天皇家の立場から整理し直し、
その地位を確認させるための神話としてまとめあげたものが、『古事記』なのである。
【平凡社世界大百科事典より】

素戔嗚尊神話
『古事記』では須佐之男命などと記す。
『古事記』『日本書紀』に語られた神で、皇祖神天照大神の弟とされる。
神々の世界すなわち高天原(たかまがはら)では悪、罪、穢の化身としてあらわれる。
伊弉諾尊が黄泉国の穢を禊で清めた際3柱の貴子が生じた。
そのうちアマテラスには高天原、ツクヨミには夜の世界、スサノオには海原が与えられる。
スサノオのみは命に従わず激しく号泣するばかりで、ために青山は枯山となり、海、河はことごとく干上がってしまうので、
スサノオは神の国から追放されることとなった。
スサノオは辞去に際し数々の神聖冒涜の挙に及んだため、たまりかねたアマテラスが天の岩屋戸にさしこもり、
天上天下は暗闇にとざされ混沌、騒然たる状況に陥る。
諸神の協力によりアマテラスは岩屋戸を出て秩序が回復されるが、
スサノオには改めて多くの賠償が課されたうえ「神やらい」に処される。
追放された彼は下界で八岐大蛇(やまたのおろち)を退治する。
そのとき救い出した娘、奇稲田姫と結婚して葦原中国の基を開いた。
【平凡社世界大百科事典より】

天照大神
この神には前史がある。
広大無辺な、政治性をおびたアマテラスという名の神格がいきなり成立したわけではない。
この神は『日本書紀』『万葉集』などで「ヒルメ」ともよばれている。
日の妻(め)、すなわち日神に仕える巫女の意である。
明らかに父系観念が強化されつつあった記紀編纂当時、父神を退けて母神が国家的祖神の座につくためには、
よほど強力な契機が必要であったろう。
アマテラスはしだいに中性化していくとはいえ女神の面影も残している。
【平凡社世界大百科事典より】


予言と解釈  予言と解釈

英雄スサノオこそ、日本神話の救世神である。親の七光りで高天原を支配するアマテラスこそ、天皇権力が作りだしたものである。
世界のどの神話でも太陽神は男性である。太陽女神など疑問である。
「スサノオ神話でよむ日本人」(老松克博著、講談社選書メチエ)が参考になるのでご覧いただきたい。
ヒルメからアマテラスへの転化の過程あるいは古代日本の王権神話で女神が国家的至上神になった理由は、次のように考える。
本来の日本列島に伝わった神話において主神は救世神・太陽神・未来神・英雄神スサノオであった。
しかし、スサノオはその時代に王権を無力化すると伝えられてもいた。
だから、スサノオが乱暴を働いた高天が原は現代の日本となる。
神を皇祖として皇室の安泰を図りたいが、スサノオをそのまま皇祖とすると王権の無力化に手を貸すことになる。
また、そのような性格の者を皇祖とするには心理的抵抗もあった。
そこで、スサノオから主神・救世神・太陽神・未来神としての性格を奪い、その配偶神を主神・太陽神として皇祖に祀ったのである。
ただ、遥かな古代から偉大な英雄として伝えられたスサノオから英雄神としての性格を奪うことはできず、
皇室が受け継いだとされる葦原中国の開祖にしてその権威付けに利用したのである。



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